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晶子の徒然草

代表が最新情報をお伝えすると共に、毎日に全力を尽くす意味合いや
季節の移ろいなどの想いを月1回配信しています。

8月のレター

 空高く澄み渡り、夕方になると美しい夕焼けが見られるようになりました。旧暦では八月のことを「葉月(はづき)」と言うそうです。葉月という言葉を聞くと、夏の日差しによく映える、まぶしいくらいの緑が思い浮かびます。うち続く暑さにバテ気味でしたが、お盆を過ぎそろそろ秋の気配を感じだすと、何だかシャキッと爽やかになれます。

 さて、私事でございますが、7月22日に母を看取りました。永年の糖尿病から腎臓、肝臓と病が広がり、最後は肝臓がんによる肝不全で、近しいものに見守られながら享年84歳の生涯を終えました。

 先月お話しいたしましたが、母は京都三条河原町の大津屋という旅館の7人兄弟の末娘で、いわゆる目に入れても痛くない可愛がられようで育ってまいりました。親の勧めるまま見合い結婚をし、結婚後も里の母親からは随分援助を受けていたようです。私が小学3年生の時に祖母が亡くなり、旅館や不動産は相続税の納税のため、跡継ぎの長男により売り払われました。それ以後は慣れぬ庶民サラリーマンの妻として暮らしてきたのですが、お世話され慣れてきたお嬢様である母は、随分と納得のいかない日々だったのではと推測しております。晩年におきましても、働き虫の娘や孫は時間に追われ、なかなか母の望むようにはお世話できず、病のせいで望む食事をしてもらうこともできず、母の愚痴を聞くたびに忸怩たる思いを抱いておりました。

 ところが、晩年お世話になったホームでの母の評判は素晴らしく、家族葬にもかかわらずたくさんのヘルパーの方々がお顔を見に来てくださいました。また、その方々に頂きましたお言葉が「優しく」「いつも自分が反省し」「相手の喜ぶことを考え」「笑顔に癒されていました」等、家族にとっては驚くような哀惜の言葉を頂き、涙が止まりませんでした。母は照れ屋さんで私達に甘えていただけで、真なる母は「自利利他」の精神を持ち、純粋で笑顔あふれる日々を送っていたのだということに、母を見送って初めて気づきました。親は最後の最後まで、子供の成長と生きていくべき姿を教えてくれるのだと分かり、とても寂しいですが、感謝でいっぱいです。相続関係の仕事をしているのに、自分の事になると元気も行動力も無くなり落ち込んでおりましたが、徐々に心も回復してまいりました。分骨したお骨を我が家でお祀りし、毎週般若心経を唱えておりますが、母の大好きだった花だけは欠かしておりません。これからはこの経験と親への感謝を、仕事を通じて皆様や世間様にお返しできるよう精進致しますので、どうぞ暖かく見守ってくださいませ。

 仏壇に生花としてお供えすることはできない花ですが、お釈迦様の台座は蓮の花と決まっており、今はその蓮の花がちょうど終わるころです。

 かつて、この季節に母と京都の天竜寺に蓮の花を見に行ったことを思い出しました。ご存じのように天龍寺は京都屈指の観光地、嵯峨嵐山に建つ臨済宗の禅刹です。この天龍寺の勅使門のそばにある放生池で蓮が咲いていました。可憐に咲いた姿が蒸し暑さを忘れさせてくれ、母と暑いけど見に来てよかったねと話したことや、 石橋の向こう側で大きな蓮の葉が群生しており、風で一斉に葉が翻ると、まるでダンスをしているように見えたことも、何となく覚えています。二人とも花が大好きだったので、記憶に残ったのですね。

 蓮の花は、夏の朝早くに開き お昼過ぎには閉じてしまうので、鑑賞は早朝がお勧めで、遅くとも午前中に行かないと終了です。そんな花の開閉を3回繰り返し、4日目には花びらが散りはじめ、長くとも1週間は持つことはなく、花びらは1枚ずつはらりはらりと落ちていきます。また、泥水が濃ければ濃いほど、蓮の花は大輪の花を咲かせますが、泥水ではなくきれいな水で育つと、蓮の花は小さな花しか咲かせません。

 美しい花を咲かせるためには泥(困難や苦しみ)が必要だとは、蓮の花とはまさに人生のように思えます。お釈迦様は、人生は「苦しみ」であり、苦しみがなければ人間は悟ることができないとおっしゃったと伝えられており、その象徴として、お釈迦様は蓮の花を台座に選ばれたそうです。もし蓮の茎が泥の中に根を張っているのは汚いといって断ち切ってしまうと、蓮の花は美しく咲くことはできません。苦しみや痛みを受け止めるのは辛いですが、それこそが未来を美しく輝かせてくれるのです。毎日の現実は苦しいことが多いのですが、感謝し前進を続ければ、迷いや苦しみを少しずつ乗り越えることができ、だんだんと日々の生き様が幸せに思えるようになるのではないでしょうか。

 千の風が青空に立ち上ってゆき、色々な思いを込めて天高く雲が流れ、秋の色になりつつあります。皆様の体にとってはもちろんのこと、心にとっても実りおおい季節となりますことをお祈り申し上げます。

8月